New Chitose Airport International Animation Festival
ARCHIVES 2014-2025

福嶋颯汰
FUKUSHIMA Sota

日本 (Japan)

2001年生まれ。映像作家、アニメーター。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。クリエイティブハウスmimoid inc. 所属。個人でのクライアントワークの際はfusso名義でも活動している。デジタル技法のアニメーションを用いて自主制作や広告など、映像媒体での出力を得意としている。代表作に『Crevice』、『Monolith』など。幼少時から暮らした南国の気候や文化から発想を得て、高彩度で独特な配色による「空気と湿度感」、民間伝承や土着文化を独自に解釈した舞台設定が持ち味。

FUKUSHIMA Sota

PARTICIPANT REFLECTION

映画祭体験型育成支援プログラム NEW CHITOSE AIRPORT テイクオフ・アニメーション・セミナー(通称:NEW CHITOSE TAS)

体験型育成支援プログラム「NEW CHITOSE AIRPORT テイクオフ・アニメーション・セミナー(通称:NEW CHITOSE TAS)」に参加したメンバーによるレポートを公開します。

こんにちは、私は普段、映像広告の方でアニメーターをする傍ら、短編アニメーションの制作にも力を入れている福嶋颯汰と申します。今回は念願の新千歳空港国際アニメーション映画祭に、NEW CHITOSE TASのメンバーとして参加し、体験したレポートを記したいと思います。

私の5日間の映画祭期間を経ての総括としては、「時間が足りない!」「身体が足りない!」「言葉が足りない!」の足りない三拍子が大きく印象に残りました。いかにも「足りないものより得たものを見ろ」と誰かにつつかれそうな感想ですが、すべては初参加した映画祭体験の目まぐるしさを惜しむポジティブな意味合いで使用しています。

まずはDAY1。開会式後のレセプションで、初めて他メンバーと対面する最初のコンタクトを取りました。学生から会社員まで、作風もルーツも幅広い世代が集められており、作品制作への多様な関わり方を感じられました。その後はいくつかのプログラムを鑑賞しつつ、ホテル併設のバーへと足を運びました。滑走路や飛行機の綺麗な点灯を眺めながら、ここで作家や関係者同士、語り明かすのが恒例のイベントなのだそうですが、私は「足りない!」のほとんどをこの場所で体感することになるとはまだ知りませんでした。

続いてDAY2。TASメンバーとしては実質メインイベントとなる11/22では、参加の必須条件である新企画のプレゼンテーションを行いました。本番には、想像していたよりも多くの聴講者が私たちのプレゼンに耳を傾けてくださり、個人的に緊張はなかったものの、読みあげ重視のプレゼンになってしまったのは反省点だと感じました。持ち時間内に収めようとたくさん喋る方に注視して、伝えきれる「言葉が足りない!」と資料や原稿への取捨選択の意識が芽生えました。

オフラインで人々へ直に伝える形態だからこそ、口調や態度により生まれる作品への切迫感(目だけでなく、耳が滑らないための工夫)の伝え方は今後も模索したいです。

また、今回TASのメンターからいただいたフィードバックは、事前に周りのクリエイター陣と行っていた練習の延長とも言える部分も多く含んでおり、私の課題としてた部分がより鮮明に見える経験となりました。私の自主企画では、フォグブレインに悩む若者と、その曖昧さの肯定をテーマにしているのですが、曖昧さの象徴となるモチーフは決して霧だけでない、という岩崎宏俊さん(注2)からのお話は印象深かったです。生死の出入り口でもある土や、物質を理に背いて変換させる錬金術など、曖昧さを持つ面白いモチーフは多く、企画開発をさらに進める大きなヒントを頂きました。さらに私は絵本や伝承といった物語から発想を広げることが多いので、それらの構造を読み解くための課題図書?をたっぷりと紹介してもらえたのは、非常に嬉しい体験となりました。いっぱい読みます。

注2:本映画祭プログラムアドバイザーの岩崎宏俊

そしてDAY3〜4にかけて、8:30スタートの早朝ディスカッションがスケジュールに組み込まれました。寝ぼけ眼に気合いを入れながらのぞんだその内容は、本映画祭で鑑賞したプログラムから、メンバー間で各々作品を選出しプログラムを作成し、選考会の追体験をするというものでした。プログラム全体でのコンセプトを意識することや、議論を生む作品の方がむしろ残ったりすることなど、ただ好みで選ぶ以外の物差しを自分にインストールできました。

伴ってこの俯瞰的な体験は、自分が今後アートアニメーションを作っていく際に立つ座標を、よりハッキリと決める必要性も感じさせました。

さて、映画祭も折り返しを迎えたこのタイミングで、「足りない!」の本領を感じ始めました。もちろん日中の作品鑑賞は大いに浴びまくり、その答え合わせのように気になっている監督へとアタックを試みる時間がバーで繰り広げられました。折笠良さんや大谷たらふさんを初め、尊敬している作家の方々に自主企画の感想をもらえたり、果ては所属スタジオで行っているコミッションワークについても触れてもらえたのは、励みと同時に大きな実りとなりました。とは言いつつ全員とはどうしてもコミュニケーションを取ることができず、「身体が足りない!」という幸せな悩みを持つことができました。併せて「言葉が足りない!」という点では、海外作家も多く出席する本映画祭にとっては英語という言語面でも言えることだと感じます。なかなか込み入ったテーマで話し始めると追いつかない場面も多々あり、ノリだけではない言語的な地盤の必要性も強く身に染みました。

そしてDAY5は、ほとんど映画祭で得たものの反芻に費やしていました。期間中多くの作家さんとお話しできて満足と思いつつ、個人的には『The Roe Deer』のデルフィーヌ・プリエ=マエオ監督とお話ししてみたかったという心残りがありました。極彩色メインの色彩設計のバランス感や、平面的なルックと多様なトランジションで繋げるアニメの面白さなど、伺ってみたい部分が多くありました。

他にも作家さんだけではなく、学生コンペティションのみ他プログラムとの兼ね合いで鑑賞叶わず……「時間が足りない!」がここでも出ています。

改めて、内側から映画祭を楽しめる大変な機会に恵まれたのだなと、終わった今、実感しております。期間中お話ししてくださった皆様、関わってくださった皆様、TASメンバーの皆様へ感謝を申し上げます!

ここで得た「足らない!」を足らないままでは終わらせないよう制作に励んでいきます。

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