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特集企画「”アニメーションの神様”たちを蘇らせる」 映画『オテサーネク』

シュヴァンクマイエル風味を存分に効かせた異色ダークファンタジーを5.1chサラウンドで上映。録音/マスタリング・エンジニアとして世界的に有名なオノ セイゲン氏がマスタリングを担当。

チェコの民話『オテサーネク』は子どものいない夫婦が、木の切り株を子どもとして育て、子どもがおかゆ、犬、農夫と次々飲み込んでいくお話。これを不妊の夫婦の現代の寓話と読み替え、『アリス』や『地下室の怪』同様少女の視点から描く。ホラーク氏が冗談のつもりで妻に与えた木の切り株の人形を妻はオティークと名付け異常な熱意で可愛がる。現代の寓話はグロテスクで、飼い猫が消え、郵便配達夫も福祉課の職員もオティークの餌食となる。木の切り株を何体も用意、コマ撮りし、CGを使用したのは授乳シーンのみという。
*ピルゼン映画祭グランプリ、ベルリン国際映画祭アンジェイ・ワイダ賞、チェコ・ライオン賞受賞

INFORMATION

STAFF

監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
配給:チェスキー・ケー

2000|チェコ・イギリス (Czech Republic / UK ) | 132 min | チェコ語 (Czech dialogue) | 日本語字幕 (Japanese subtitles)

© :Athanor

PROFILE

ヤン・シュヴァンクマイエル ( Jan Švankmajer )

1934年、チェコスロヴァキアのプラハ生まれ。プラハの芸術アカデミー演劇学部(DAMU)人形劇科で演出と舞台美術を学ぶ。ラテルナ・マギカなどの舞台芸術に関わり、1964年から映像作品をつくる。共産党政権下でプラハの春以降ブラックリストに載り、『オトラントの城』の準備を1973年に始めるが、当局から映画製作の禁止を命じられ、『オトラントの城』完成の79年まで自身の作品は撮れず、70年代の映像活動停止時期には「触覚芸術」、コラージュ、ドローイングなどの美術作品に集中する。60年代の初期の短篇や80年代の自由化の流れの中、91年のビロード革命以降も、社会主義・全体主義・商業中心主義など全ての現実に無意識の領域からの抵抗を続け、その映像表現は一度見たら忘れられない強烈な体験として、カンヌ、ベルリン、アヌシー、チェコ国内など世界中の映画祭で絶賛されている。1990年川崎市市民ミュージアムの「シュヴァンクマイエル映画祭'90」で初来日。その後も妻のエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーとの共同の美術展や、『オテサーネク』以降の長篇作品が公開されるごとに来日し、江戸川乱歩の『人間椅子』や、小泉八雲の『怪談』のコラージュ本の作成、浮世絵の伝統的な版画技法を使った作品を発表するなど日本文化への造詣も深い。妻のエヴァとは彼女が2005年に亡くなるまで映像・美術など様々な共同作業を行っていた。2018年には、チャペック原作の『蟲』を製作。

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