New Chitose Airport International Animation Festival
ARCHIVES 2014-2025

ひろつぐ
HIROTSUGU

日本 (Japan)

福島県生まれ北海道育ち。東京都都内在住。motion graphics、イラストやデザイン、アニメーション、3DCG 、デジタルアートなど様々な視覚表現に興味を持ち、映像制作を手掛ける。2021年から自主制作活動を中心にインターネットで作品を発表中。

HIROTSUGU

PARTICIPANT REFLECTION

映画祭体験型育成支援プログラム NEW CHITOSE AIRPORT テイクオフ・アニメーション・セミナー(通称:NEW CHITOSE TAS)

体験型育成支援プログラム「NEW CHITOSE AIRPORT テイクオフ・アニメーション・セミナー(通称:NEW CHITOSE TAS)」に参加したメンバーによるレポートを公開します。

NEW CHITOSE TASと同時に、映画祭への参加も今回が初めてだったので、その視点からの感想を述べていきます。

映画祭全体を通して良かったと感じたのは、初めて観た作品の感想を同じく鑑賞した人たちとすぐ共有できるところにあると思います。というのも、自分はもともとインディペンデントアニメーション出身ではないので、鑑賞作品によって感想が大きく違っていて、正直それを人に共有することに少し不安がありました。しかし、鑑賞後に同じ上映を観たインディペンデントアニメーション作家の方々に話を聞くと、ある方は「難しかった」と共感してくれたり、またある方は作品の良さについて理解していてそれを説明してくれたりしました。自分以外の作家の間でも反応が大きく異なることがあり、そうであっていいとした上でのコミュニケーションを現場で体感できたのは、とてもリアルな経験でした。ある時は安心感を覚えたり、ある時は危機感を覚えたりと、心のどこかでとめどなく感情が揺れていた気がします。振り返ってみると、プログラム参加前に想定していたよりも、ずっと濃密な時間を上映期間中は過ごしていたと思います。

上映プログラムによっては、上映が期間中に複数回行われるものもあり、先に上映を観た人の話す感想がたまたまこれから上映を見る人の耳に入ってくる、ということもありました。「〇〇はすごい」という噂話を聞くことで、まったく知らなかったその作品を見る前から、どことなく楽しみにしているような状況になっていた気がします。その時の自分は、学生時代に作曲とクラブカルチャーに傾倒していた頃、まだ出会ったことのないアーティストや楽曲をクラブにいた人の口コミから知り、楽しんでディグっていた頃の自分と似ているような感覚がありました。

NEW CHITOSE TASのプレゼンのプログラムでは、事前に原稿とスライドを準備して臨みましたが、どちらかというとその後の講評が個人的には刺激的で、学びにつながった気がします。自分の場合、作品制作を通じて美大や藝大などのように作品やプレゼンに関する講評を受ける経験が今までなかったので、今回が人生で初めて人から成果物について講評を受ける機会になりました。いろいろ考えた結果、作品プレゼンから講評という一連の流れを若くして経験している美術系学生の方々には、とにかく畏敬の念を禁じえません。
講評を受け、プレゼンで求められているものについての理解が深まったのと、インディペンデントアニメーションという場において作品作りに必要な準備もあるのだと内省したので、それは今の新しい制作活動に活かすよう意識しています。

ディスカッションのプログラムでは、各々の鑑賞作品に対するさまざまな感想や価値観が共有され、時にその違いが露呈するような瞬間が垣間見えて興味深かったです。TASメンバーの中では、経歴で比較すると自分はモーショングラフィックス出自という、一番アウトサイダー寄りだという自覚があったので、純粋にインディペンデントアニメーションの世界を中心に生きてきたであろう他のメンバーの着目している点が、予想通り自分とは大きく異なり、自分から見て彼らの趣向が個性的に映りました。
どれくらい趣向が異なったかというと、ディスカッション中の模擬選考企画で、最初の作品のピックを挙手で決める時、他メンバーの誰も、自分が最初にピックした作品には手を挙げていただけなかったくらいです。
これは、良い解釈をすれば、他のメンバーにはない価値観を持っているという逆説にもつながると思います。まずその事実を受け止め、今後は説得力や自信を持てるように自分を磨いていきたいと思いました。

映画祭期間中、夜21時頃からホテル併設のバーでパーティが開かれるのですが、そこで作家や関係者が集まって行われるコミュニケーションが自分にとって貴重な思い出です。リスペクトしている作家と交わす初めての会話で緊張感を味わいつつ、たまたま現地入りしていた、SNSでのみ繋がっていた作家や、数か月、数年ぶりに再会した知り合いとの邂逅に歓喜した瞬間も数多くありました。本映画祭が空港で行われていることの「人と人が交わる場所」というコンセプトを改めて思い起こし、それを体現するような素敵な時間を過ごせました。一方で、多数いらっしゃった国外のアニメーション作家とも、自分は英語を話せないなりにコミュニケーションをとっていたのですが、やはり思うように話せなかったので、致し方ないとはいえ、今後は少しでも英会話ができるように努めようと思いました。今はスマホにDuolingoを入れています。

自分は初対面でも気になっていた作家には積極的に話に行ってしまう性分で、映画祭はまさにそういう方がたくさんいらっしゃった事もあり、はしゃいで話かけに行った手前、少し忌避されるかと懸念していました。しかし、TASメンバーを含め、皆さん快く対応してくださったのも個人的にはありがたかったです。プログラムの合間に知り合ったばかりの作家と次のプログラムの時間までに急いで4階の温泉に入りに行ったり、深夜の空港内のコンビニを探して歩き回って雑談したり、そういうちょっとしたイベントも映画祭ならではだと思っていて、思い返すたびにまるで青春の追憶にふけるような気分になれます。

実はTASでのプレゼンは、自分の発表内容も踏まえ、事前に父と母に見に来てもらうよう話していて、当日は実際に現地に来て観覧してもらいました。「良かった」と後日反応をもらったのでとりあえず安心していたのですが、今後は新作のテーマに負けないように制作するにはどうすれば良いかを考えなくてはならないと、勝手に重責を感じたので、うまくいくかわからないですが、より良いものにするための下準備も現在行っています。TASで発表した新企画は必ず良い作品にしたいと思っているので、リリースされる暁には皆さんに観ていただきたいです。

また、最終日にインフルエンザになってしまって、閉会式と最後の交流会に出られなかったのは少し勿体なかったです。もし同じような日程でまた参加することがあれば、きちんと睡眠を確保し、念を入れた手洗いうがいを欠かさず臨みたいと思います。

総じて、僕の中では2025年の一番良い出来事でした。

Related Works and Programs

2025

新千歳空港国際アニメーション映画祭

事務局
〒060-0001
北海道札幌市中央区北1条西2丁目1番地
札幌時計台ビル9階 株式会社えんれいしゃ内
電話
011-206-1280
(受付時間:平日10:00〜18:00、土日祝休み)
Mail
info@airport-anifes.jp

page_top


■ Select Page